1年ぐらい前に集塵システム(ダストコレクター)を導入してからというもの、ワークショップの環境は一変しました。プレーナーやジョインターの木屑を集塵機が見事に吸い込んでくれます。でもこのダストコレクターといえども完全ではなく、大きな木屑は吸い取りますが、サンダーや紙やすりでサンディングした場合などの細かな塵は空気中に漂います。
これらの細かなダストは時には有害です。化学製品を含む木材(合板、MDF、パーティクルボード、防腐処理された木材 etc)や、たとえ自然の木材でもそのダストは種類によっては人体には有害です。(ここらへんは wood,dust,toxic などのキーワードを使うと詳しく解説されたホームページがたくさん見つかります。特にOSHAに関するページが参考になります。)
健康面を別にしても、私のように加工する場所と仕上げをするワークショップが同じ場所にあるという場合、仕上げが乾く前にチリがついてしまうのを避けるのにもこのエアーフィルターは有効です。表面にビルドアップしない(膜を作らない)オイル仕上げや、乾きの早いシェラックやラッカー仕上げはそれほど問題にならないのですが、特に乾きが遅いウレタン仕上げ、その中でも油性ウレタン仕上げは乾くまでに半日以上かかります。この間に表面にチリが付くとせっかくの滑らかな仕上げが台無しになってしまいます。このチリを取り除くのにエアーフィルターが有効です。
このエアーフィルターとは天井にぶらさげて使用します。こうすることにより工房の空気を効率良く循環させて空気中に漂う細かなチリを除去します。天井にあるために大きさも気になりません。
以前集塵機をワークショップに導入したときからこれら空気中に漂うチリを除去するエアーフィルター(Environmental Filter , 環境フィルターともいう)をいつかは導入しようと考えていました。カタログをみると小型のものが$200ぐらいからです。ところが先日このキットが特価で発売されていました。フィルターとファンのセットで、匡体は自分で作るものです。特価セールで$98でした。これだったら輸送費を入れても格安でエアーフィルターが作れるはずです。大きな匡体がない分、輸送費も安くなるでしょうし。(因みに匡体の大きさは80センチX60センチX30センチです。かなりデカいです。)
キットの中身はシンプルそのもの。まずは動力源のシロッコファン。思ったよりも小さいです。(300W) でも実際回してみると風量がかなりあるのが分かります。465CFM(立方フィート/分)の能力があるそうです。それからプリフィルター。これは前面につける第一段階と第二段階のフィルターで、目に見えるような大きなチリを取り除きます。そして第三段階がポケットフィルター。これは表面積を稼ぐために大きなポケット状になっています。普段はフニャっとしてますが、ファンを回しはじめるとブワッっと膨らみます。最後に吹き出し口のグリルです。電源コードなどは含まれていないので自分で調達します。
キットにはプランも含まれていますので12mmのベニアを寸法通りに切って組み立てます。ただのハコですので難しいことはないです。
まずは運転音。先に導入したダストコレクター(集塵機)よりもさらに静かです。私の場合は箱が共鳴しているらしく、真下ではブーンという不快な音が聞こえますが、これは箱の内部を少し補強すればなくなると思います。説明書にはシロッコファンと本体の取り付けにはゴムワッシャーを使って振動を吸収させてくださいと書いてありました。このゴムワッシャーが入手できなかったもので、とりあえず直付けしたのがいけなかったのかも。
次に集塵効果。これは期待以上でした。このフィルターを回しながら二時間程度の作業をしてみました。この時はMDF(バーティクルボードよりさらに粒子の細かい合板)の加工で大変に細かい塵が発生したこともあるのですが、白かったプリフィルターがうっすらと茶色くなっているのがわかります。窓からの日射しを通してみるとチリが少なくなっているのが目に見えてわかります。今まであのような塵が肺の中に入っていたと思うと・・・。
優先順位ではもちろんダストコレクターが先ですが、すでにダストコレクターをお持ちの方は是非エアーフィルターの購入を考えてみてはいかがでしょうか?私のようなアマチュアは休日の限られた時間しか工房を使うことはありませんが、それでも効果のほどは十分に確認できます。
組み立て
効果のほどは?