何が出来上がるのかな?(第2弾)
電動工具を使用するときは安全に十分に注意してください。説明書を熟読、理解し、安全に関する
全てのルールに従ってください。(安全メガネ、場合によっては耳栓等も忘れずに。)
さあて、これから何ができあがるでしょうか?
写真を見ながら考えてみてください。
荒材をどのように加工してモノになっていくのかという過程がわかっていただければ幸いです。
- まずは荒材です。前回スピニング・ホイールで使用したレッド・アルダーという広葉樹が余っているのでそれを使用します。プレーナー、ジョインターによる製材加工の工程は前回と同じなので今回はパスです。
- まずはテーブルソーでリソー(薄板を作る)をします。普通リソーはバンドソーでしますが、幅が5インチぐらいまででしたらテーブルソーでもできます。フェザーボード(黄色い板)をセットして上半分、下半分を2回に分けて切れば薄い板のできあがり。今回は1/8インチ(3ミリ)です。キックバックには十分気を付けて。
- 次に薄い板をグイっと曲げて2枚を貼り合わせます。接着にはポリウレタン系の接着剤を使用します。湿気で硬化する接着剤です。そのため板を濡らします。はみだした接着剤が型に着かないようワックスペーパーを間に挟みます。お菓子を作る時に使うものです。
- 型からはずせば曲がった板のできあがりです。これを型紙の通りにバンドソーで切ります。
- 切り取ったあとをドラムサンダーで滑らかにします。
- つぎに荒材から角材を切り出します。レイズで加工するので角材のセンターに印を着けます。黄色いプラスチック製のものがセンターを求める治具です。
- レイズ(木工旋盤)で角材を丸く加工します。できあがった丸棒に角穴を開けます。これにはドリルプレス(ボール盤)に角ノミ用のアタッチメントを付けます。これによりドリルプレスが角ノミになります。丸棒はしっかりと固定できるようにクレイドル(ゆりかご)に載せます。
- 同じように丸い穴も開けます。角度は写真のような治具を使うと正確に設定することができます。
- どんぐりコロコロのフィニアルを作ります。そして同じように穴を開けます。
- テノンカッターで角材の先端部分だけを丸棒にします。
- ラウンドオーバービットで角を丸くします。だ円形の断面の棒が出来上がり。
- さ〜て、これで大部分の部品が揃いました。これから組み立てです。
- 組み立てその1 はみだした接着剤は湿らせたスポンジで拭き取ります。
- 組み立てその2
- 組み立てその3
- 組み立てその4
- 組み立てその5
- 組み立てその6
- 次はベニア板をバンドソーで丸く切り抜き、さらに中心に穴をあけてド−ナッツ状の板を作ります。
- ありゃりゃ?なんでこんなところに炊飯釜が?実はこの使い古しの炊飯釜はスチームベンドの為の道具です。スイッチポンでほっかほかに蒸してくれます。水がなくなれば自動的に切れるので安心です。
- 板を細長く切ります。またベンドするためのモールド(型)を用意します。クランプもたくさんね。
- 蒸し上がった細木をぐぐぐいっと曲げます。曲げる作業は細木が冷める前にする必要があるため、時間との勝負です。(感覚として20秒ぐらいでしょうか?)あとはクランプで固定します。そのままで乾燥させます。(You never say you have enough clamps!!とはWoodworkerの間では有名なことわざ。私もNever Sayです。)
- こんな具合に曲がりました。
- 今度はレールに穴を開けます。表面からと裏側から。
- プラグカッターの出番です。端材にプラグカッターで穴を開けます。ドライバーでポンっとプラグを取り出します。
- レールを本体に木ねじで固定したあとに穴を先程のプラグで塞ぎます。これで木ネジの頭が見えなくなります。市販の丸棒をつかってもプラグはできますが、プラグカッターを使ったほうが簡単だし、おなじ材質が使えるので見た目もいいです。
- さてこれで本体は完了。あとはFinish(塗装)とUpholster(布張り)を残すのみ
- Finishはシェラックにしました。今回新たにガーネット・ラックというオレンジ・シュラックよりもさらに精製度の低いものが入手できたのでそれを使用しました。アルコールで溶くとまるで「醤油」のようになります。レールとフィニアルの部分はオレンジ・シュラックその他の部分はガーネットラックを使用しました。アンティーク調のいい色合いになりました。レールの部分の下面は酷使されるのでシェラックでは役不足です。そこで水性のポリウレタン(クリア)をさらに3回塗りました。Upholster(布張り)はお得意のシェーカーテープをチェッカーボードに編みました。Upholsterのテクニックは木工のテクニックとはまたガラッっと変わって面白いです。木をまっすぐ切るのにコツがあるように、布をピンと張るにはいろいろなコツがあります。シェーカーテープの編み方は子供用ロッキングチェアの欄で紹介しています。
- Happy Holidays from Knotty Wrokshop (12/23/00)