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木工仕上げの塗布の方法はいろいろあります。布で拭く方法、ブラシで塗る方法、スプレーで吹く方法などなど。
プロのように仕上げるのは難しいですよね。ウレタンの拭き仕上げやオイルの仕上げなどはそれなりにできるのですが、ちょっと皮膜をつくるような仕上げは、ブラシを使用するとどうしてもムラになったり肉厚が一定にならなかったり難しいです。
ここではプロの仕上げに一歩近付こうということで、スプレー仕上げ、その中でも日本ではあまりなじみの無いHVLP(High Volume Low Pressure)についてご紹介します。
注意:スプレーを使用するときは適切な安全具を身に付け、霧化した塗料を吸い込まないように注意してください。また油性塗料などの有機溶剤を使用するときは引火、爆発に気を付けてください。
木工用のスプレーも工業用になるとかなりいろいろな種類があります。私のようなアマチュアが入手できるようなスプレーは、わかりやすく大雑把に分けて3種類あります。高圧ガン、低圧ガン、エアレスの3種類です。順に説明します。
<<高圧ガン>>
英語では High Pressure Gun , High Pressure Low Volume (HPLV) などといわれます。ただ HPLV は次に出てくる HVLP と区別がつきにくいのであまり使われません。 Conventional Spray Gun (従来方式のスプレーガン)などといわれることもあります。
この高圧ガンはコンプレッサーに接続して、高圧エアーで塗料を飛ばします。ホームセンターなどで売られているスプレーガンのほとんどがこのタイプです。
スプレーから発射されて材料に届く塗料の割合をTransfer Rateと言いますが、高圧ガンの場合はわずか15%~35%です。塗料のほとんどが飛散して大部分は有機揮発物とともに大気に飛散します。大気汚染に関して規制の厳しい米カリフォルニア州などでは、商業施設での使用が制限されているほどです。
ホームセンターで売られているスプレーガンを手持ちのコンプレッサーにつないでスプレーしたところ、部屋中が煙ったという方も多いでしょう。これがこの高圧ガンです。
<<低圧ガン>>
日本ではほとんどなじみが無いと思いますが、アメリカでは木工のスプレー仕上げと言えばこの低圧ガンを指します。英語では HVLP (High Volume Low Pressure)です。直訳すれば、「大量で低圧の空気を使用したガン」ということです。
スプレーガンを見ただけでは従来方式の高圧ガンとほとんど区別が付かないと思います。ところがこのHVLPはTransfer Rateが70%~90%と高圧ガンとは比較にならないほど高い割合で塗布できます。
<<エアレス>>
エアーを使用せずに、圧縮した塗料をノズルから吹き出させるというものです。壁塗りやペンキなどの粘度のある塗料でも使用できます。ただ繊細な木工仕上げで使用できるようなものは、あまり出回っていないようです。同じ値段帯で比較した場合はHVLPに軍配が上がるようです。
<<その他>>
最近はLVLP(Low Volume Low Pressure)なるものも登場してきたようです。空気の供給量が少なくても高いTransfer Rateを達成できるものだそうですが、まだ一般的ではないようです。
HVLPの特徴はなんといっても大量で低圧のエアを使用するところです。
高圧ガンが0.3MPa,100L/min程度の空気を必要とするのに対して、HVLPでは圧力は0.02MPaと圧力は低いものの、1000L/min以上という大量の空気を必要とします。
エアの量があまりにも大量なので、エア源としてコンプレッサーを使用した場合は、5馬力程度のかなりの馬力が必要になります。というのもコンプレッサーは高圧の空気を供給するように作られており、低圧の空気を大量にというのは難しいからです。
通常大部分の人が使用している、1~2馬力程度のコンプレッサーでは、はじめの数十秒ぐらいはタンクに溜めた空気で動作するかもしれませんが、あとはコンプレッサーの供給量が全く追い付かなくなって、息切れ状態になってしまいます。
そこで低圧ガンは低圧でも大量の空気を供給するために「タービン」という圧縮機を使用します。ごく簡単に言えば家庭で使用している掃除機のようなものです。これで低圧ですが、大量の空気を作り出します。大容量のコンプレッサーを持たない中小規模のショップはこのタービンスプレーを使用します。
幸運にも5馬力程度のコンプレッサーを持っているなら、HVLPを直接接続できます。ただ、エアーにオイルと湿気が入らないように、フィルターを設置する必要があります。
HVLPのタービンのカタログを見ると2ステージ、3ステージ、4ステージなどとあります。これはタービンの数を指していて、ステージ数が多くなるほど負荷に対して強くなります。空気の供給量や圧力が増すというわけではありません。ステージ数の多いほど、単位時間あたり大量の塗料を塗布できるようになります。ただしステージ数に対して値段も上がります。
だいたいHVLPシステム(スプレーガン+タービン)の値段は以下の通りです。
HVLPスプレーガンにはBleeding TypeとNon-Bleeding Typeがあります。Bleedとは出血するという意味で、この場合エアを指します。
Bleeding Typeはエアガンのトリガには関係なく、常に空気がノズルから出ています。タービン型のHVLPの場合、空気を溜めておくタンクがないので、常に空気が流れるBleeding Typeが多いようです。
Non-Bleeding Typeは高圧ガンと同じように、エアガンのトリガを引いた時のみにエアが流れます。コンプレッサー型のHVLPの場合はエアを節約するために、このよう構造になっているものが多いようです。
Bleeding Typeのメリットとして、常に流れる空気を利用して、材料の表面のゴミを吹き払うことができることです。実際に塗料を吹き付ける前にさっとガンを動かしてゴミを飛ばします。
ただBleeding/Non-Bleedingどちらがいいというのは議論の別れるところで、Non-Bleedingのほうが塗料を発射していないときのノズルの乾きが少ないとか、ホコリを撒き散らかさないので良いという意見もあります。
ノッティーワークショップでスプレー仕上げを取り上げて欲しいと要望があり、私も以前からHVLPについて興味を持っていたので、思いきって購入してしまいました。
私が購入したのは2ステージのシステムです。スプレーの予備カップや付属品一式(工具、替えノズル、フィルターなど)が立派なケースに入っています。簡単な説明ビデオもあります。250ドルでした。
タービンのスイッチを入れてみるとまさに掃除機のような感じです。エアの吹き出し口からは大量の空気が勢い良く流れ出します。これがHVLPか~と納得です。約5メートルもの長~いホースが付属していて、引き回しも問題なさそうです。踏み付けてもつぶれない強度があります。
私が購入したのはBleeding Typeです。したがっていつも空気がノズルから吹き出しています。このエアの吹き出し量はかなりのものです。
試しにカップに水を入れて噴射してみます。おぉ~、これは見事じゃ~。(写真は見やすくするために吹き出し量を最大にしてあります。)
気になった点は、まずホースの取り付け位置。この機種はホースがハンドルの上部にあります。(親指の上)ホースはハンドルの下部(小指の下)にあったほうが、家具の内側などの狭い場所での取り回しはラクそうです。もうひとつはどちらかというとホビー用ということで、ガンの大部分がプラスチックで出来ていて、ちょっと安っぽいところかな。
簡単な説明ビデオが付属していました。ビデオでは視覚的に分かりやすいように、色の着いたペイントを使用していますが、実際はシェラック、ウレタン、アクリル、ラッカー、果てはオイルまで刷毛で塗れるものはほとんどすべてスプレーでも使用できます。
まずは塗料の粘度を測ります。通常は専用の測定用漏斗がついていて、塗料が流れ落ちるまでの時間を測定することによって粘度を測ります。これは簡易版で、スティックから垂れるしずくの間隔を測定することによって粘度を測る方式です。この粘度によって、ノズルの種類(大中小と3種類ある)エアの量、そして塗料の量を調節します。
調節するところは下の3種類です。まずはノズルの角度。これを調節することにより、横の楕円(上下の面を塗布する時に使用)、縦の楕円(左右の面を塗布する時に使用)、そしてピンポイント(小さな円)の3種類のパターンが選べます。
楕円パターンは大きな面を塗る場合。ピンポイントはステンシルで使用したり、こまかな面を塗る時に使用します。(こういった椅子のスピンドルは刷毛だと塗りにくいですよね。)
本体のハンドルにあるAir Flow,Material Flowのつまみでそれぞれの調節をします。
垂直面だけでなく、水平や天井へ向けても使用できます。
クリーニングの仕方も説明されています。
試しにシェラックを吹いてみましたが、ハケあとが残らず、きれいにビルドアップしてくれました。
私は購入したばかりでまだ全く使いこなせていません。オレンジピール(表面がオレンジの皮のようにデコボコになってしまう現象)などのスプレー仕上げならではの難しいところがあるようです。
今後いろいろな使用した状況を随時アップしていきます。お楽しみに~。
Earlexという英国の会社から発売されているプロ用のHVLPです。
タービンは2ステージです。カップの内側はテフロン加工されているので、洗浄がラクだそうです。
実際に使ったことがないのでよくわかりませんが、持ち運びの取ってもありなかなか使いやすそうです。値段は$269と手頃です。
ペイント機材の大手Wagnerから発売された、家庭用のHVLPスプレーユニットです。
最大の特徴はHVLPでありながら、本体にコンプレッサーを内蔵したことです。電源をつなげれば、長いホースをとりまわすことなく、気軽にHVLPによるペイントができます。
ペイントのタンクはワンタッチで交換ができます。先端のノズルを回転させれば、ペイントパターンの変更もできます。
値段は100ドルとお手軽です。予備のタンクが計3個ついてきます。これでしたら、中身を入れ替えることなく、3種類のペイント材の使い分けができます。
ウッドデッキの塗装など簡単にスプレーペイントができますね。
以前お知らせしたEarlexのプロ用に対して、家庭用のHVLPが発売になりました。
HVLPではジャマになるホースを本体にぐるりと収納するところがユニークです。
値段は$129とプロ用に対してさらに手頃になりました。
上記で紹介した、EarlexのHP5000のご紹介です。
以前から持っている、CampbellのHVLPと比較してみました。
CampbellのHVLPは廉価版の家庭用ということもあって、作りがプラスチックが主体でいかにも安っぽいです。これに対して、Earlexは金属を多用しており、いかにも丈夫そうです。
ノズル付近のクローズアップビューです。このノズルの形状にもHVLPの秘密がたくさん詰まっていそうです。
クリーニングキットも付属してきます。
以前紹介したCampbellが$250で今回のEarlexが$300です。付属品はCampbellのほうが多いですが、作りの丁寧さではEarlexに軍配があがります。