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2008年3月にGrizzlyからTormekのクローンが発売されました。Tormekといえば、シャープニングで超有名ですが、値段の高いことが難点でした。本体が500ドル。それにアクセサリーを多数そろえなくてはならず、(このアクセサリーも結構高い。)結果的に本体の1.5倍から2倍近くのお金が必要です。私も使っていて、確かにいいモノなんですけどね~。本体はスウェーデン製です。
その後JETからクローンが発売されました。でも値段は似たようなもの(460ドル)でした。
そこでGrizzlyの登場です。Grizzlyといえば私が利用しはじめた十数年ぐらい前は安かろう悪かろうのイメージが強かったのですが、最近は品質も良く、日本で愛用されている方も大勢います。
そして気になる値段はなんと170ドル!!Tormekの半額以下です。しかもこの値段は期間限定だそうです。早速本体を入手したのでレポートします。別売のアクセサリーも同時に購入しました。
Grizzlyによれば本体はドイツ製だそうです。そのためか、ネジ類はすべてミリ系が使われています。アメリカの工具といえばほとんどがインチ系なのですが。
2台を並べてみるとホントにそっくりです。砥石の直径も同じです。ウラのモーターを見てみても、どちらも100ワットの誘導モーターを使用しています。とても静かに回ります。砥石の速度はどちらも毎分90回転です。
ナント嬉しいことにツールレストの直径が同じです。つまりTormekの豊富なアタッチメントがそのまま使用可能です。これはかなりポイントが高いです。
ただツールレストポストの位置微妙に違いますので、後述するプレーナーの刃を研ぐアタッチメントを共用するとしたら、ツールポストの穴の位置の変更が必要です。でもプレーナーの刃を研ぐ治具はGrizzlyのほうがTormekよりも上です。
早速まわしてみると、砥石が少し偏芯しています。完全な円ではありません。TormekのTruning Tool(DRESSING TOOL)を使って砥石を削ります。このツールの先にはダイヤモンドが付いていて、砥石をガンガンと削ります。数分で砥石は完全に丸くなりました。砥石は使っていると、溝ができたり、片側だけが減ったりしますので、定期的にこのTruning Toolで表面を平らにします。
早速いろいろなものを研いでみました。実際に使用した感じはTormekとほとんど同じです。
治具類を比較してみました。まずナイフ類を研ぐ治具です。
左側3つがGrizzly、右がTormekです。これはGrizzlyのほうがいいですね。
これはノミ類を研ぐ治具。左側3つがGrizzly、右がTormekです。ほとんど同じ。
これはターニングツールであるガウジを研ぐ治具。左側3つがGrizzly、右がTormekです。機能的にはほとんど同じ。
研ぐ際に角度などを決めるために使うゲージ。左側3つがGrizzly、右がTormekです。Tormekは砥石が減って、直径が小さくなってくるに従って補正できるという親切な設計です。初めころは律儀にこれで測って角度等を決めていましたが、慣れてくると全く使わなくなりました。
カンナなどの刃を研ぐ為の治具。左側3つがGrizzly、右がTormekです。機能的にはほとんど同じ。
プレーナ-(自動カンナ)やジョインター(手押しカンナ)のような幅の広い刃を研ぐ為の治具。上がTormekで下がGrizzlyです。これはGrizzlyのほうが圧倒的にいいです。刃をガッシリと固定してくれます。
Honing Compoundです。グリズリーは缶入りです。仕上げにこのホーニングコンパウンド(ピカールのようなもの)を砥石と反対側のレザーストラップというところに塗って最後の仕上げをします。刃先がピカピカになり、シャープな切れ味になります。
Grind Stone。両面で荒さの違う砥石を回転砥石の表面に押し当てます。荒目、細目を使い分けることにより、1つの回転砥石を荒くしたり、細かくしたりできます。左がGrizzlyで右がTormek。これは同じ。
説明書です。Tomekは立派な小冊子ですが、Grizzlyはただの紙切れです。
これらがGrizzlyでは用意されていないものです。左から回転砥石を真円に保つ為のDresser Tool、ターニングツールであるフィンガーネイルのガウジを研ぐための治具。そしてスキューチズルを研ぐ為の治具です。
ターニングツールや彫刻刀など、特殊な形状をしたものを仕上げるためのレザーストラップです。Tormekは延長シャフトを使うことにより、通常の平面のレザーストラップとの共用ができますが、Grizzlyは延長シャフトのネジが合わない為に、付け替えが必要です。
砥石に水を供給するためのトレイがGrizzlyの場合は浅いです。これでは使っているうちに砥石の直径が小さくなった時に、砥石が水につからなくなります。右はGrizzlyにTormekのトレイをセットしたところ。これぐらいの深さが欲しいです。
それからGrizzlyは少し溶接が雑でした。特にツールレスト。
これらGrizzlyとTormekは互換性があるので両者のいいとこ取りをするのが賢い買い方でしょう。
まず本体はGrizzlyから買う。Tormekが500ドルに対してGrizzlyは170ドルです。半額以下です。
PLANER/JOINTER BLADE JIGはGrizzlyのほうが質が高いです。30センチもの刃を手で精度よく研ぐのは不可能です。治具が不可欠です。
Grizzlyで用意されていない治具類はTormekから買いましょう。
まず絶対に必要なのがTURNING AND DRESSING TOOL(TT-50)です。真円かつ平らなな砥石なくしては研ぎはできません。
ターニングツールなど特殊な形状をしたツールを研ぐ場合は必要に応じてTormekの治具を買いましょう。仕上げに必要なPROFILED LEATHER HONING WHEELもTormek製しかありません。
回転砥石は互換性ありです。直径も軸径も同じです。Woodcraftから発売されている、日本のKING製の砥石もそのまま使えます。
Tormek,Grizzlyの基本的な操作を理解していない方はTormekからビデオが出ていますので、それを見てからのほうが確実に使いこなせます。TormekのHPで動画も見れます。
いままでTormekはいいものだと分かっていたけれども高くて手が出なかった方。試してみては?
「木工旋盤入門」の第6章の「シャープニング」にてTormekに関して紹介しています。あわせてご参考になさってください。