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今回のギターフェスティバルは2007年8月17日から8月19日まで、カリフォルニア州のサンタローザ市で開催されました。ショーの主催者はLuthiers Mercantile International, Inc.です。
いままで木工ショーは何回も行きましたが、このギターフェスティバルは初めてです。ギターといえばアメリカには有名な量産メーカーがいくつかあります。アコースティックでしたら、マーチン、ギルド、ギブソン、テイラー。エレキギターでしたら、フェンダーなどなど。日本でもアコースティックはヤマハ、モーリス、ヤイリ、タカミネなどが有名ですよね。
でもこのショーに出展しているのはすべて個人のギター職人の手によるものです。彼らはLuthier(ルシアー、ギター職人)と呼ばれています。そこでお客さんである弾き手に来場してもらい、彼らのギターを見て評価をしてもらうというものです。
出展料はテーブル1つで500ドル。テーブルを2つに分けると200ドルだそうです。手頃な値段で出展できます。出展者は100組以上。来場者は数千人。思ったよりもずっと大きなフェスティバルでした。
日本人でも出展しているルシアーが何人かいました。また会場を訪れるアジア系民族のほとんどが日本人です。これにもびっくり。彼らは日本の楽器店から来ていて、買い付けに来ているのだそうです。
会場はサンフランシスコから北へ1時間半のところにある、サンタローザという街です。ワインで有名なナパ、ソノマに近く、
ハイウェイからはワイナリー点在しているのがわかります。
またあのスヌーピーの生みの親である、チャールズ・M・シュルツ氏が住んでいたところです。会場にもスヌーピー関連の置物がいくつもありました。
やっぱり会場で目がいってしまうのは個性的なギターです。有名なルシアーの作品となると300万円から500万円するそうです。ひぇ~!!
上の写真は鬼才フレッド・カールソンによる共鳴弦を使ったギターです。シンピタールと呼ばれています。共鳴するとシタールのようなビヨヨ~ンといった共鳴音がします。お願いしたら中の共鳴弦の構造をく詳しく見せてくれました。「ジャワリ」という共鳴弦をビビらせる仕組みが良くわかりました。
会場にはルシアーだけでなく、そのルシアーをサポートするショップも多数出展していました。材料を売ったり、特殊なツールを売っていました。
シェラックのフレークもちゃんと売っていました。ギターの世界でもシェラックは仕上げとして有名なのですね。
これは飾りのための貝です。これの薄板を貼付けます。
これは作業をする時に、ギターの裏面を吸着させるものです。
会場にはコンサートホールも併設されており、常にギターのコンサートが行われています。有名どころも出演していたりして、なかなか盛況でした。特に感激したのがあの巨匠 Alex de Grassi が Fred Carlsonの " The New Dream "とよばれる39弦ギターを演奏してくれたこと。いやいや、これをみるだけでもはるばるここまで来た甲斐があったものです。
日本からも伍々慧(ごごさとし)さんが来て演奏していました。彼のテクニックはすばらしい!!将来が楽しみです。
さすがアメリカ。探せばこんなギター材料の専門店があるのですね~。売っているのは主に木材。それも超高級な木材ばかり。1枚が10万円近い板も売られていて、目がテンです。すぐ裏には加工場が併設されていて、お願いしたら快く見せて写真を撮らせて頂けました。
フレットってこんなぐるぐる巻きの針金だったのですね。知らなかった。
右上のホンジュラスローズウッドは一山でン百万円だそうです。うへ~。
本当に珍しい貴重で美しいな木材の宝庫です。マレーシアンブラックウッド、カリマンタンエボニー、ニューギニアブラックウッド、ホンジュラスマホガニー、マダカスカルローズウッド、ブラジリアンローズウッド、ハカランダ、ハワイアンコア、ブラックアカシア、ピンクアイボリーにスネークウッドなどなど。中にはワシントン条約で保護されていて、アメリカ国外に持ち出せない種類もありました。
これらが薄板に加工する機械です。シンプルな構成で加工しています。バンドソーが2種類。1つは通常見かける刃が垂直なもの。もう1つが丸太から薄板を切り出す際に使う、刃が水平になったものです。それにジョインター(手押しカンナ)それにワイドベルトサンダーです。
ワイドベルトサンダーとジョインターはグリズリーを使っていました。楽器関係者の間ではグリズリーが人気があるんですよね。
いつものチェーン店でお買い物です。Woodcraftは$50以上買うと$15引きのクーポン券(なんと30%引き!)を活用しました。
上記右の写真はホームセンターのレンタルコーナーで見かけたもの。水道管などを埋設するときに溝を掘る機械です。たしかにこれを使ったら早そう。
レーザーガイドの付いたタイルカッターが$169とは安い!
これは握り手の部分をひっくり返すと2種類のプライヤーとして使えるというもの。よく考えていますね。
相撲接着剤はすっかり有名になったようです。新製品のドブテイル治具を紹介していました。
シェラックもホームセンターで普通に売られています。アルコールにすでに溶かれたものです。スプレーもあります。
この店はヴィンテージものに力をいれているようで、ギターやアンプなど様々なヴィンテージアイテムがたくさん並べられていました。
なかにはとんでもない値段がつけられたものもあり、売っているいうよりは、自慢しているような感じでした。
毎回大好評の戦利品のコーナーです。
今回のツアー参加者はプロのルシアーということで、接着剤や材料などを慎重に選んでいました。プロのルシアーでも私のホームページの「接着剤の使い方」や「シェラック」のページは参考にされているということで、ありがとうございます。
やっぱり楽器関係者にはグリズリーが人気??
この豆カンナはマンドリンなどアーチトップの楽器を削るのに重宝するそうです。スパニッシュシダーもこれで6000円あまり。これは安い。これで10本のギターのネックになるそうです。
今回は初めてのギターフェスティバルでとても印象に残りました。昔ギター少年で今は木工好きの私も大満足のツアーでした。募集するときにいつもの木工ショーツアーのように、木工趣味人限定にすると恐らく人が集まらないと思ったので、アマ限定の枠をはずして募集したところ、なんとプロのルシアー(ギター職人)が応募して下さいました。
プロの話を聞いているといろいろと参考になることがたくさんです。ギターをぱっと見ただけで、そのギターのどこが素晴らしいかが瞬時にわかってしまうところはさすがです。木材の種類に大変詳しいのにもびっくりしました。普通では知ることのない業界のウラ話をいろいろと教えて頂きありがとうございました。
最後に今回のツアーについていろいろと助言を頂いた在米ルシアーのT.Sさん。ツアー告知にご協力いただいたH.Mさん。どうもありがとうございました。
そして2007年の11月9~11日には定例の木工ショーのツアーを企画しています。お楽しみに。
今回と同じ団体が主催です。The Woodworking Show
参加なさりたい方はカレンダーに印をしておいてください。
あなたも参加しませんか?とても面白いですよ!
木工ショーや木工専門店を求めて、カルフォルニアの青い空の元を片側8車線もあるFree Wayを西へ東へ南へ北へ。