何が出来上がるのかな?
電動工具を使用するときは安全に十分に注意してください。説明書を熟読、理解し、安全に関する
全てのルールに従ってください。(安全メガネ、場合によっては耳栓等も忘れずに。)
さあて、これから何ができあがるでしょうか?
写真を見ながら考えてみてください。
荒材をどのように加工してモノになっていくのかという過程がわかっていただければ幸いです。
- まずは荒材を購入します。今回はレッド・アルダーという広葉樹を使いました。本当はサクラを使いたかったのですが、安い北米材でガマンです。
- 荒材の表面には製材時の大きなノコギリの跡がついています。まずはブレーナー(自動カンナ)で平面を出します。プレーナーの宿命としてスナイプと呼ばれるヘコミが削り始めと終わりに出来ます。それを計算に入れて板取りをします。
- 側面も木肌がそのまま出ています。ジョインター(手押しカンナ)で直角を出します。ジョインターの原理は以前説明した通りです。
- ラジアルアームソーで台形を8つ切ります。角度はきっかり22.5度です。この8と22.5でピーンときた人もいるでしょう。
- つぎに8つの台形の木口にビスケットを入れるためのスロットを入れます。
- さてこれが22.5度の正解です。こんな形になりました。バンドクランプにてギリギリと締め上げます。22.5度は正確でなければなりません。例えば各エレメントが0.1度ずれたとしてもそれが16倍(8倍ではありません。)されますので最終的には1.6度もずれて隙間が空いてしまいます。ピタっとあわせるには0.1度以下の精度が要求されます。
- こんどは出来上がったものをルーターで丸くします。外周と内周と両方ともです。ルーターのベースに板を付けて片側にピボットポイントを設けて、くるりとまわせば円ができます。ルータービットはストレートのものを用います。一度に切削すると危険なので数回にわけて徐々にルータービットを下げていきます。これで丸いドーナツのような浮き輪のようなリングができあがり。
- 出来上がった輪の内側にドリルプレスで穴をあけます。ついでに丸い板にも穴をあけます。使用しているドリルビットはフォスナービットとよばれ、底がフラットなので使いやすいです。
- 今度はレイズ(木工旋盤)の登場です。細いスピンドルを8本作ります。
- またまたレイズの登場です。丸いフィニアルを8個作ります。どんぐりコロコロのフィニアルができあがりました。
- 飾りの為にミゾを掘ります。また車輪の周囲にもミゾを掘ります。このミゾがミソです。
- 先程のドーナツとスピンドル、フィニアルをあわせるとジャーン!!こんなんが出来ました。まだまだ続きます。
- バンドソーでリソーをします。厚い板から薄い板を作る、バンドソーのなかでも基本的なテクニックです。刃はなるべく太いものを使用します。私はリソーの時は3/4インチ幅の刃を使用しています。刃はチップソーの使用をお勧めします。
高価ですが、切れ味が違います。丸ノコでチップソーは一般的ですが、小型バンドソーのチップソーはそれほど一般的ではありません。通販で購入できます。
- バンドソーと治具を使って薄い板を丸く切りぬきます。
- この円盤にもミゾを掘ります。フェザーボード(黄色い板)を使い、加工中に加工材が持ち上がらないようにします。少しでも材が持ち上がると真直ぐなミゾが掘れません。
- これらの円盤を張り合わせます。下の写真はベアリングです。ローラーブレード(インラインスケート)用のベアリングを流用することにしました。これが一番安く、簡単に入手できました。
- 円盤と真鍮のパイプとベアリングを組み合わせてこんなものが出来ました。
- 棒ネジを作ります。使用しているのは以前ボルト&ナット棚で登場したネジ切りマシンです。トリマーにV字型のビットを付けて丸棒をくるくる回してネジを切る治具です。ボルト&ナット棚はボツになりましたが、治具は健在です。
- やはりボルト&ナット棚で登場したタップ治具でメスネジを切って組み立てれば万力のようなものができました。
- バンドソーでなんか馬てい形のものを切り出しています。切った後はドラムサンダーにてサンディングします。
- これらの部品を組み合わせるとこんなものができました。
- なんだこれは?自転車か?
- ホゾ加工の治具を使ってテノンを作ります。それに板を組み合わせてこんなものを作ります。
- 以前登場した馬てい形のものを2本の棒で支えればこの部分は出来上がり。手前の支柱にはオリフィスと呼ばれる穴が開いています。この穴が重要な役割を果します。これですべての木材加工が終了です。あとは仕上げと組み立てになります。
- これから仕上げに入ります。仕上げ材は。オレンジ・シュラックにしました。シュラックについてはこちらを参照してください。
- オレンジ・シュラックを3回塗ったあと、スーパーブロンズ・シュラックを1回塗ります。そのあと組み立てます。
- ホイールや本体もオレンジ・シュラックで塗ります。
- 塗装が終わったら本体を組み立てます。その1
- 塗装が終わったら本体を組み立てます。その2
- 塗装が終わったら本体を組み立てます。その3
- 塗装が終わったら本体を組み立てます。その4
いよいよ完成です。
スピニング・ホイール1
スピニング・ホイール2